マウリッツハイス美術館は、この絵を「トローニー」と説明しています。トローニーは、想像上の人物を描いた絵のことです。実在の誰かを写すのではなく、ひとつの型や性格を描きます。
この絵が描いているのは、異国風の装いをまとい、東洋風のターバンを巻き、ありえないほど大きな真珠を耳に着けた少女という型です。
少女は灰色がかった青い目で肩越しにこちらを見つめ、潤んだ唇をわずかに開いています。
意匠の由来 The Story
1665年頃、オランダの画家ヨハネス・フェルメールは、青と黄のターバンを巻いてこちらを振り返る少女を描きました。《真珠の耳飾りの少女》です。
この少女は誰なのか。所蔵するマウリッツハイス美術館は、この絵を特定の人物の肖像画としてではなく、想像上の人物を描いた作品として紹介しています。
Around 1665, the Dutch painter Johannes Vermeer painted a girl in a blue and yellow turban, looking back over her shoulder. The Mauritshuis, which owns the painting, presents it not as a portrait of a particular person but as a painting of an imaginary figure.
マウリッツハイス美術館は、この絵を「トローニー」と説明しています。トローニーは、想像上の人物を描いた絵のことです。実在の誰かを写すのではなく、ひとつの型や性格を描きます。
この絵が描いているのは、異国風の装いをまとい、東洋風のターバンを巻き、ありえないほど大きな真珠を耳に着けた少女という型です。
少女は灰色がかった青い目で肩越しにこちらを見つめ、潤んだ唇をわずかに開いています。
美術館によれば、この真珠は本物にしては大きすぎ、模造の真珠だったと考えられています。
描き方も簡潔です。左上に置いた明るい光と、下側に映り込んだ白い襟の反射。真珠は、この2筆でできています。耳に掛けるための銀の留め金さえ、描かれていません。
2020年、マウリッツハイス美術館の研究チームは、この絵の科学調査の結果を発表しました。
分かったことのひとつは、少女にはもともと、まつ毛と眉が描かれていたこと。もうひとつは、いまは黒く見える背景に、おそらく深い緑のカーテンが描かれていたことです。
ターバンの青には、アフガニスタン産の宝石を原料とする高価な顔料、ウルトラマリンが使われています。
館長のマルティネ・ゴッセリンクは、オランダの公共放送NOSの取材に対し、この絵は美術館で最も重要な作品で、ほとんど貸し出すことはないと語っています。今回の貸し出しは、美術館の改修工事にあわせて実現しました。
前回この絵が日本で公開されたのは2012年。東京と神戸で、あわせて120万人が訪れました。館長は、この絵がこれほど遠くまで旅をするのは、これが最後になるかもしれないとも述べています。
2026年は、大阪中之島美術館で9月27日まで公開されています。他の地域への巡回はありません。展覧会についてはニュース記事でも紹介しています。
本展は大阪中之島美術館・朝日新聞社ほかの主催によるものです。当社および Michael Barnaart は本展に関与しておりません。
マイケル・バルナートは、グラフィックデザインを原点とするオランダのファッションデザイナーです。《真珠の耳飾りの少女》のブローチは、正式なライセンスのもとで制作されました。
フェルメールが柔らかな筆致で描いた顔は、ひとつの円になりました。円は斜めに分けられ、肌の色とターバンの青に塗り分けられています。真珠は小さな白い円、襟は白い一本の線です。
写実を離れ、色とかたちの関係だけを残す。それが、時代の意匠に縛られない造形をつくるための、グラフィックの手法です。
2023年、このブローチは原画を所蔵するマウリッツハイス美術館で映像展示されました。現在は、同館の公式ウェブショップでも販売されています。
この物語のブローチ The piece
真珠の耳飾りの少女
フェルメール《真珠の耳飾りの少女》より
41mm × 51mm / マグネット式
¥9,900(税込)
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